自転車移動中に音声メモを取ることが増えました。便利なのは間違いありません。ただ、認識精度が落ちると、そのメモ自体の価値も一緒に落ちてしまいます。
最初は「もっと精度の高い音声認識を使えばいい」という方向で考えていました。実際に運用してみると、精度を追いかけるだけでは解決しない問題があることに気づきました。
入力時に完璧を求めると、記録するまでの心理的な距離が遠くなります。「ちゃんと喋らないと」「聞き取りやすく話さないと」と意識した瞬間、思いついたことをそのまま流し込む、という音声入力本来の速さが失われる。
そこで発想を変えました。認識精度を上げることより、「元の音声と、思いついた瞬間との距離を縮めること」の方を優先する。多少誤変換があっても、まず記録することを優先し、きれいな文章にするのは後段でやればいい。
ここで欲しくなるのが、前後の文脈から怪しい部分だけを拾って提案してくれる仕組みです。全部を疑って総取っ替えするのではなく、明らかにおかしい単語だけをピンポイントで指摘してくれる。この方式なら、元の発話のニュアンスを壊さずに、誤変換だけを直せます。
何度も同じような話を音声メモに残していることに気づくときがあります。前にも似たことを喋った気がする。それでも、残っていないよりは残っている方がずっといい。
記録の価値は、完璧さではなく、思いついた瞬間とどれだけ近い場所に置いておけるかで決まるのだと思います。


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